(VOVWORLD) -この衛星は、「2030年までの宇宙科学技術開発応用戦略」を実現する為に、ベトナム国家宇宙センターの小型衛星開発プロセスの一環となっています。
ベトナム科学技術研究所傘下のベトナム国家宇宙センターは先頃、同センターが開発したキューブサット「ナノドラゴン(NanoDragon)」を鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所に向けて送り出しました。この衛星は、「2030年までの宇宙科学技術開発応用戦略」を実現する為に、ベトナム国家宇宙センターの小型衛星開発プロセスの一環となっています。
ナノドラゴンは日本の国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)に引き渡され、JAXAの「革新的衛星技術実証2号機プログラム」により2021年10月1日に打ち上げられる予定です。このプログラムは、100kg級の小型実証衛星2号機(RAISE-2)と50kg級の超小型衛星4機、数kg程度のキューブサット4機の計9機で構成されています。
ナノドラゴンは、船舶自動識別装置の信号を受信できることの証明を目的としています。また、衛星用に開発された新コンピューターと衛星の姿勢制御システムの品質を実証することも目的の一つです。
ナノドラゴンは重さ約4kg、3Uサイズのキューブサットで、開発から設計、統合、機能テストまでベトナム国内で実施しました。
ベトナム国家宇宙センターのファム・アン・トアンセンター長は次のように語りました。
(テープ)
「各国にとって宇宙開発技術はその国のハイテクパワーのシンボルとして見なされています。長期的にはとても重要なので、私たちは長期的な戦略を立て、長期的に投資する必要があると思います。」
衛星は高度約560kmの太陽同期軌道に投入される予定です。これに先だつ2021年3月9日から4月9日まで、この衛星は九州工業大学の超小型衛星試験センターで振動、衝撃、熱真空などの耐久度を試す宇宙環境試験を受け、必要な基準を達成したことを確認されました。
ベトナムは2013年に重量1kgの超小型衛星「ピコドラゴン(PicoDragon)」の製造に成功し、同年11月から運用しています。そして、ベトナム国家宇宙センターが開発した重量50kgの衛星「マイクロドラゴン(MicroDragon)」は2019年1月に軌道に打ち上げられたことに成功しました。